昔々小咄「三年寝たろう」

むかーし昔のお話しです。

或る処に、仲良しのおじいさんとおばあさんが住んでいました。

或る日、おじいさんとおばあさんは山里が騒がしいので降りてみました。

水不足で困っていた山里に、遠くの川から水を引いているという

「三年寝たろう」のうわさを聞きました。

 

「あの男が三年寝たろうかい。どんどん水路が出来て、田畑が潤っていくね!」

おかげで農作物がたくさん獲れて、み~んな幸せになりました。

寝たろうは、水路を引いてみんなの喜ぶ声を聞くと、また寝てしまいました。

 

でも、次の三年が経っても、寝たろうは起きてきません。

とうとう15年も寝てしまったので、

村人たちは呆れてしまい「寝すぎたろう」に呼び名を変えました。

その年の気候は、地球温暖化の影響が強く、気温が異常なほど上昇。

冬のドカ雪。夏の集中豪雨。台風・竜巻・・・。

などの、未曾有の天変地異が起きるようになっていました。

とうとう山里もゲリラ豪雨で用水路が氾濫して、

家や田畑は水浸しです。

お布団が洪水で浮かんだ時、寝たろうは一度は目を開けただけで、

再び寝てしまいました。「えー、また寝てもたで~!」。

村人たちは「寝てもたろう」と、今度も呼び名を変えました。

それから遥か幾星霜、黄金の稲穂に囲まれた「三年寝たろう」の

ボロ屋の跡には「百年死んでもたろう」と

墓がひっそり立っていましたとさ。

ナンマイダブ、ナンマイダブ・・・。

それからも山里はたくさんの災害に会いましたが、

決して負けませんでした。

そして、村人たちは水路を見るたびに、

「三年寝たろう」を思い出すのでした。

メデタシ、メデタシ・・・。

(これ良かったあ~。音楽ならわたしが原作で、

 作詞作曲に渡って編集をSさんがしてくれました。

 ありがとうございました! やったー!)

ブログをご覧くださいましてありがとうございます。

***あなたさまにもっと輝く笑顔と元気でいてほしい!*** 

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